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2015年11月21日

男性は「育児と仕事の両立」に悩むのか。

master (2015年11月21日 13:45) | トラックバック(0)
keiojukuseishinbunkai.jpg少しずつ冬の気配が色濃くなってきました。みなさん、お元気ですか。

こんにちは。穎才学院教務です。

本日は慶應塾生新聞会の会員さまのご紹介で、日本テレビアナウンサー鈴江奈々さんの講演会にお邪魔してきました。

鈴江アナは、2003年に慶應義塾大学経済学部を卒業されて日本テレビに入社。現在はフリーアナウンサーである福澤朗アナのもとでのトレーニングを経て、「スポーツうるぐす」の担当として活躍。「ザ!世界仰天ニュース」や「NEWS ZERO」等の担当を経て、現在は「news every.」のキャスターを担当されています。

慶應義塾大学三田祭での講演会は満員の盛況ぶりでした。

鈴江アナのお話は非常に明朗で聴きやすく、言葉を届ける相手を常に意識されて誠実に話していらっしゃるので、90分間まったく退屈せずに楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございます。

さて、講演会で印象的だったのは、鈴江アナの誠実なお人柄がにじむ話しぶりのほかに、スウェーデンで取材された男性の育児参加をめぐるエピソードです。

スウェーデンでは男性が積極的に育児に関わります。ある統計によれば、スウェーデンでの男性会社員の育児休暇取得の割合は約80%。日本では約3%にとどまっています。

鈴江アナが取材された家庭では、やはり男性が育児休暇を取得していました。そして、育児にはげみながら、休暇を終えたあと上手く仕事に復帰できるかどうか、その男性が悩みを抱えていらしたというのです。

今でも、日本の女性は結婚か仕事かという選択を迫られることが多いです。鈴江アナも、「局では、女子アナはパートナーと結婚するか、マイクと結婚するか」などと言われることがある、と話していました。もちろん、少しずつ事情は変わりつつありますが、まだまだ仕事を持つ女性が結婚しやすい社会、子育てしやすい社会になっているとは、とても言えません。つまり、日本の働く女性は、仕事と結婚の両立、仕事と育児の両立に悩みながら働いているのです。

では、日本の男性はどうでしょう。仕事と結婚の両立に悩んだりするのでしょうか。たぶん、多くの男性はしないと思います。就職して、そこそこ働けるようになって、収入も安定してきたら、そろそろ結婚するか、といった考えの男性が大半でしょう。

それは仕事と育児の関係についても、同じです。男性の育児休暇の取得が必要であるという話はときどき聞かれますが、実際に日本の男性の育児休暇取得が進んでいると感じている人はほとんどいないでしょう。それは仕事をしながら子供を育てることの困難さを想像できる日本人男性が少ないということでもあります。

しかし、スウェーデンの男性は違います。女性と同じように育児休暇を利用して育児にはげみながら、休暇を終えて仕事に復帰することへの不安を感じているというのです。

鈴江アナがこの話をしている時、会場の空気が少し変わったように感じられました。それは、女性の共感と男性の驚きによるものだったのではないかと思います。鈴江アナの優しい口調は、しかしはっきりと、日本の男性の多くが育児と仕事の両立の困難さに無関心であることを指摘していました。

会場にいた賢い男性たちは、背筋が正されるような思いをしたはずです。実際に私の斜め前に座っていた初老の男性は、その背中の様子から何かを感じ取っていたように思います。

人間が生きる上で欠かせない能力のひとつが想像力です。

男性は、女性が「仕事と結婚」について、あるいは「仕事と育児」について、どのような選択を迫られるのか、もっと想像した方が良いのでしょう。結婚するために退職する可能性について想像するとか、育休後の職場復帰の難しさ対する不安を想像するとか、そういった一手間が男性には求められるのだと思います。

きっと、健やかに子供たちが生れ育つ社会には、「育児と仕事の両立」に悩む男性と女性が同じくらいたくさんいるのだと思います。

エマニュエル・レヴィナス老師は『困難な自由』という本を著しましたが、『困難な結婚』とか『困難な育児』とかいう本も、誰か賢い人が書いてくれたら良いのになと思います。

大切なことは、困難なことだったりするのです。

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