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2015年10月21日

得意科目と進路選択

master (2015年10月21日 16:01) | トラックバック(0)
こんにちは、穎才学院教務です。
今日も東京都心は過ごしやすい天気ですね。
昨日、授業後にある生徒から進路の相談を受けました。
ちょうどいまくらいの時期になると、高校1年生は文理選択、高校2年生は来年度の受験に向けた志望校の選定をせまられるようですね。

質問の内容は「私は数学が好きで英語が得意なのだけど理系と文系のどちらを選択するべきか」というものでした。

こういった質問を子供から受けた時、得意科目を活かす方法や受験・就職活動上有利な選択を提示しようとする人たちがいますが、それは練りの足りない応答の仕方だと言わざるを得ません。

私は「進路のドアにはドアノブがついていない」という話をその生徒に宛てて贈りました。

多くの人が勘違いしていますが、進路というのは選択できるものではありません。

向こう側から、開かれるものです。

そもそも、私たちは自分にどんな適性や潜在能力があるかを知りません。でも、「この仕事をやってください」と誰かから頼まれることがある。その仕事を引き受けて、やってみると上手くいったり上手くいかなかったりする。そうしているうちに、だんだんと自分自身が何に向いているのかということがわかってきたり、その人の能力が培われていったりするのです。

そして、仕事の能力についての評価は、働き手による自己評価より、働き手以外による外部評価の方がだいたい性格です。ということは、仕事を依頼されたなら、誰かがその仕事について「できる」という評価を下したということで、きっと大丈夫だろうから是非その仕事を引き受けた方が良いのです。

進路のドアにはドアノブがついていない」といのは、そういうことです。

得意科目を活かして進路を選ぼうとする人がいますよね。それって、裏を返せば、苦手科目に関する進路は選択出来ないということです。気付いていない人が多いのかもしれませんが、これって、結構切ないことです。「お前は下手くそやから、それやったらあかん!」と言われてガッカリする人はいても、嬉しい気持ちになる人はいないでしょう?それよりも、思いもしないことについて、突然「あんた、それ向いてるで。どんどんやり!」と言われる方が、きっとドキドキすると思いませんか?

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NHKの朝ドラ『あさが来た』、今週のクライマックスは、主人公「あさ」(波瑠)が奈良の豪商「玉利友信」(笑福亭鶴瓶)に「あんた、もうじき日本一の女あきんどになるで」と予言されるシーンです。両替商「加野屋」に嫁いだあさは、幕末・維新の混乱に巻き込まれ経営が傾きかけた加野屋の危機を救おうと奮闘します。

では、あさはどうして両替商である加野屋の仕事をするようになったのか。算盤が得意だったからではありませんよ。あさにとって算盤は「ぱちぱちはん」。ぱちぱちと良い音がするのが魅力的で仕方がなかったのです。あさは加野屋に嫁いでから、店の事や商売の事を一生懸命勉強しますが、それはあさが勉強好きだったからだけではありません。あさは実家を出るとき、嫁いでその家の人間になったら、一生懸命その家を守るようにと実父に諭されていたのです。

好きなものを触っているうちに、誰かの言いつけを守ろうとするうちに、何かを成し遂げる力が養われていく。そうしているうちに、いつか誰から「これ、やってみなはれ」と仕事を頼まれる時が来るのです。

あさちゃんは、何でもかんでも、自分の頭で考える人です。良くも悪くも、世間の型にはまらない人です。うちの塾にも、みなさんのお家にも、あさちゃんのような子供たちがいるのです。私たち大人に出来ることは、そんな子供たちの成長をあたたかく見守り、機を見て支援することです。

みなさんが、みなさんのお子様が、どんな職業に就いてもそこそこ幸せになれるように私たちは支援したいと思っています。それが数学を勉強することから始まるのなら、いっしょに勉強をはじめましょう。それが本を読むことを必要とするなら、本を贈り届けましょう。

そして世の中は、私たちがある条件を満たしさえすれば、誰もがそこそこ幸せに生きていけるように出来ているのです。それを20世紀の賢い人たちは「構造」と呼びました。だから、安心して健やかな成熟に向かっていきましょう。


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