2015年9月30日
幼児化する男たち
master (2015年9月30日 15:36) | トラックバック(0)こんにちは、穎才学院です。
突然ですが、私には4人の「師匠」がいます。どの師匠も私にとって有り難い、無くてはならない存在であります。
そしてそのひとりは、哲学者・武道家として知られる内田樹先生です。内田先生の言葉は、いつも私に力を与えてくれます。先生の言葉に耳をかたむけていると、私の生命力が賦活されるのです。ほんとうに師匠というのは、有り難い存在です。
さて、内田先生は「内田樹の研究室」(http://blog.tatsuru.com/)というブログを開いておられます。先生はそのブログで2010年に「幼児化する男たち」という記事(http://blog.tatsuru.com/2010/06/23_1444.php)を書かれました。
『Ane Can』 という雑誌の取材を受ける。
『Camcan』のお姉さんヴァージョンである。
このところ女性誌からの取材が多い。
どうしてだろう。
わからない。
インタビュイーの選考は先方のご事情なので、私の与り知らぬことである。
お題は「愛と自立」
う〜む。
「愛をとるか、自立をとるか」でお悩みの20代後半女性にアドバイスを、というご依頼である。
端的には「仕事をとるか、結婚をとるか」ということのようである。
つねづね申し上げているように、これは問題の立て方が間違っている。
内田先生によれば、親族の形成としての結婚は人間に欠かせない基礎条件のひとつです。
親族を形成しない(=結婚しない)という性質を特徴する人間社会は存在し得ません。当り前。
にもかかわらず、このような二者択一的な問いが前景化する。
当然それなりの理由があるはずである。
おそらく「オレをとるのか、仕事をとるのか、どちらかに決めろ」というような無法なことを言う男と付き合っているからではないかと推察される。
この問いに答えること自体はむずかしいことではない。
というのは、このような問いを発する男は、その当の事実によって「バカ」であることが明らかだからである。
「オレをとるか、仕事をどるか、どちらかに決めろ」というようなことを言う男に対しては「仕事」と即答するのが正解である。
バカといっしょにいても、この先、あまりよいことがないからである。
なるほど(笑)。
幼稚な自意識を持てあまし、自己承認欲求を満たすために他者に対して自己犠牲を強いる人間が増えてきたというのです。
内田先生に拠れば、日本の男性は「子供の価値観」を手放せず、「幼児」の状態にすすんでふみとどまっている、というのです。
日本の男子が血肉化してる「小学生時代の価値観」とは「競争において相対優位に立つことが人生の目的である」というものである。
これまでも繰り返し説いてきたことだが、「同学齢集団のコンペティションでの相対優位」が意味をもつのは、「ルールがあり、レフェリーのいる、アリーナ」においてだけである。
例外的に豊かで安全な社会においては、「競争に勝つ」ことが主要な関心事になることができる。
しかし、人類史のほとんどの時期、人類は「それほど豊かでも安全でもない社会」を生き延びねばならなかった。
そういった状況においては「競争において相対優位をかちとる能力」よりも、「生き残る能力」の方が優先する。
「競争に勝つこと」よりも「生き残る」ことの方がたいせつだということを学び知るのが「成熟」の意味である。
現代日本男子の幼児化は、深刻な社会問題である。
だとすると、大人は同世代の平均年収なんて気にしない。同業との競争などに関心が無い。もちろん、パートナーに「オレを取るか、仕事をとるか、どちらか選べ」なんて、阿呆なことは言わない。
そういう人が「家族になろうよ」と歌うから、その言葉に深みがあるのでしょうね。
福山雅治さん、ご結婚おめでとうございます。
福山さんは「独身の帝王」というよりも、「大人の男」だったのですね。素晴らしいパートナーと良き家族を形作られることでしょう。
9月29日は、福山さん・吹石さんだけでなく、千原ジュニアさん、大山加奈さんら、多くの結婚の知らせを聴くことができた日でした。みなさんの幸せを予祝いたします。
世界中の結婚をめざすカップルが良きゴールインを迎えますように。そして、そのためにもみなさんが成熟に向かわれますように。
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